遺言書作成

1.遺言書作成のメリット

 (1)遺言者

  最終意思の尊重であり @身分 A財産 B相続 C遺言執行の4つを自由に指示することができます。遺留分を侵害していない限り、相続人間の紛争防止にもなります。

   (2)受遺者

  遺言書記載内容の部分については、相続人間での遺産分割協議が不要となり、不動産の登記名義も単独で変更することが可能です。

 

 (3)遺言の記載どおりにならないケース

  遺留分を侵害している場合、相続人及び受遺者が全員同意して、遺言を放棄して、遺産分割協議をしてしまう場合等があります。

 

 (4)遺留分の取り扱い

  遺留分とは、最低保証されている相続人の取り分です。例えば、亡くなられたご主人に、奥様、お子様が1名いたとします。ご主人が遺言で、愛人に全財産を遺贈してしまった場合、奥様は、法定相続分の2分の1(2分の1×2分の1)の4分の1を、お子様も同様に4分の1を一定期間内(遺留分知ってから1年、知らない場合は10年)に取り戻すことができます。

  ご主人が愛人にすべての財産を確実に遺贈したい場合、奥様及びお子様に遺留分を放棄してもらう必要があります。生前にも、家庭裁判所の許可を貰い、奥様及びお子様は遺留分を放棄することができます。実務的には、奥様及びお子様に多額の生命保険金を降りるようにしておき、遺留分の放棄をしてもらうケースがあります。

 

2.遺言書を必ず作成した方が良いケース

  @前妻(前夫)、後妻(後夫)との間に、それぞれ子供がいる場合

  A子供がなく、兄弟姉妹が推定相続人になる場合

  B生前に認知した子供がいる場合、死後に認知をしたい子がいる場合

  C子供の妻等、法定相続人以外の者へ財産をあげたい場合

  D換金しづらい不動産、自社株等の相続財産が多い場合

  E相続人間の経済格差、不仲がある場合

  F相続人に認知症の方、障がいをもっている方がいる場合

  G相続人の中に行方不明者がいる場合

  H相続人が誰もいない場合

  I特定の相続人へ多く相続をさせたい場合

 

3.遺言書作成

  遺言の方式としては、公正証書遺言と自筆証書遺言等があります。

  令和2年に民法が改正される前は、当事務所では、公正証書遺言を推奨しておりました。それは遺言の保管方法が安全であるという点が大きなメリットだったからです。


  しかし、民法改正により、自筆証書遺言を法務局において保管する制度が創設されました。

このことによって、遺言書を作成することがかなり身近なものとなりました。


(1)自筆証書遺言

自筆証書遺言は自書する能力があれば、

・いつでも

・どこでも

・他人の力を借りずに

作成できる手軽な制度です。もちろん、作成にあたり、公正証書遺言と違い、特別な費用もかかりません。

詳しくは、法務省 自筆証書遺言(http://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00051.html)をご覧ください。

 

 (2)公正証書遺言

自筆証書遺言が大変お手軽な遺言であるのに比べて公正証書遺言は費用と手間がかかります。

しかし、公正証書遺言ならではのメリットもいくつかあります。

それは

   @ 最終的に公証人によって作成されるため、法律的疑義を残すことが無く、自筆証書遺

     言のように有効、無効の判断がされることが基本的に無い。

   A 遺言書の原本は、公証役場に20年以上厳重に保管されるため、紛失、滅失、変造の

     恐れが無い。

   B遺言者の死後、自筆証書遺言のように家庭裁判所での検認手続きが不要である。

(ただし、民法改正により、自筆証書遺言であっても遺言書保管所に保管されている遺言書については、検認の手続きは不要となりました。

   C全国の公証役場から、遺言検索システムを利用して、遺言の存否の確認ができます。

 

 (3)公正証書遺言の具体的作成方法

※この手順は、自筆証書遺言を作成する場合の参考にもなりますので是非ご覧ください。

 

   @最初に遺言書のたたき台を作成します。

    身分、財産、相続及び遺言執行を中心にお話しをお伺いいたします。また、相続人へ

   「伝えておきたかった事」「感謝の気持ち」等もお気軽にお話しください。

   <ご用意頂くもの>

    ・遺言者の印鑑証明書及び戸籍謄本

    ・受遺者の戸籍謄本及び住民票 

    ・財産については、権利証、預金通帳、保険証券等ご用意ください。

 

   A当事務所にて公証人と内容面の事前打ち合わせを行います。

 

   B遺言書の下書きをご確認いただきます。

 

   C公証役場にて正式に遺言書を作成します。証人が2名必要となりますが、当事務所にて

    手配することも可能です。当日に遺言書の正本及び副本をご手交いたします。

 

 (3)遺言執行

   遺言執行者を、遺言で定めます。遺言で定めていない場合は家庭裁判所で選任してもらう

   必要があり、手間と時間がかかってしまいます。

   遺言書に掲げられた財産については、遺言の効力が生じた後は、遺言執行者以外の者が

   法的手続きを執ることはできません。当事務所でも遺産総額の1.5%の報酬で遺言執行者

   となることが可能です。  

 

 (4)その他

   @字が書けない方、口がきけない人、耳がご不自由な方の公正証書遺言も可能です。

   A病院等への出張も可能です。

 

 (5)費用

   目安として、当方の報酬(5〜15万)、証人2名(1名につき2万)及び公証人の費用(財

  産評価によってスライド)が発生します。

   ご相談及びお見積書作成は、無料ですので、お気軽にご相談ください。

 

  参考/日本公証人連合会(http://www.koshonin.gr.jp/index2.html